* 廻り連なる ----- 20050504 * 初稿 -----
暗闇ではない
これは、暗闇ではない
此処は、暗闇などではない
始めから、暗闇であったわけではない
例え、微かな揺らぎであったとしても
刹那の刻(とき)であったとしても
光
この身は温かく照らされ
冷えた心臓をゆっくりと包み込んだ
確かに、”想い”が存在していた
あの忌まわしい、黄金(きん)の月が夜空を覆う日まで
震えた言葉の少年は何を、怯えた瞳の少女は何処へ、
取り残されて
花びらを千切りながら
僕の袂(たもと)に風花が舞う
”我(あなた)は 愛(やさしさ)を 羅(つら)ねる人だから”
小さな胸に響いた言葉
忘れてはならない、最期の言葉
神様どうか、トモダチをクダサイ
たくさんは要らないよ
一人だけ、たった一人でいいんだ
神様どうか、オモイデをクダサイ
たくさんは要らないよ
一つだけ、たった一つでいいんだ
神様どうか、トモダチをクダサイ
神様どうか、オモイデをクダサイ
闇に在っても、ずっと淋しくならないように
孤独で居ても、僕がボクを失わないように
まだ見ぬ君を、いつか羅(めぐ)り愛せるように……
* * * * * * * * * * FIN * * * * * * * * * *